本日は、@IT主催の「ソフトウエア品質向上の“変”2015 秋~今、変革のとき~」というセミナーで、「スマホサービスにおける、デザインの心得と組織の作り方」というテーマでお話しさせていただきました。
会場は、大学の講義室を彷彿とさせるホール会場。
@IT主催という事で、さすがの集客力です。
講演が終わり、帰り支度をしていると何名かの方からご質問をいただきました。
その中で、航空機器系のシステム会社の方から、非常に面白いお話を伺えたので、備忘録的にブログに残しておこうと思います。
■パイロットにもスマホ世代の波が!
講演の中で紹介した、
「できるかもUIの積み重ねが、ユーザーの離脱を生む」という箇所へのご質問で、具体的にはどういったUI事例が誘発するのかという内容でした。
いくつかサンプルのアプリを見てもらいながら、ユーザーが迷うポイントについて議論していたところ、航空機器に関しても、UIによるユーザーの誤タップなどが問題になっているようでした。
一番驚いたのが、飛行機のパイロットが、いわゆる「スマホ世代」にシフトしてきているという事です。
コックピットに付いている液晶の付いた計器を見ると、ついスワイプしてしまうパイロットが増えてきているそうです。
普段スマホを使っていると当たり前に行える操作なので、ついつい液晶をスワイプしてしまうのだとか。
これは、コックピットだけに限らず、古いカーナビや電光案内版などにも言える事で、「液晶」=「スワイプ」という、従来のUIにはなかった発想が、ユーザーリテラシーの変化によって「スワイプできるかも」という誤解を招くようになりました。
■「〜できるかもUI」が誘発するUX的な損失は大きい
ユーザーのリテラシーと共に、様々な進化を遂げるUIデザインの世界において、世間の常識との乖離は致命的であり、「〜できるかもUI」が引き起こすUX的な損失の大きさに改めて気付かされました。
運用系サービスにおいて、いつの間にか陥ってしまった「時代遅れ感」は、サービスの印象を陳腐化して見せるだけでなく、ユーザーの離脱にもつながってしまいます。
そういう意味で、デザインやユーザーのトレンドを追う事は重要であり、常に最先端でいる必要はないが、最適化を後回しにして「いつの間にか陥っていた」という状態にならないよう、常にトレンドとの乖離を意識しておく事が重要だと改めて感じました。
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